NASDAQ は金融系クラウドのインフラをAWSに切り替えた(翻訳)

原文記事:"NASDAQ Turns to AWS to Power Its Financial Cloud"


NASDAQ OMX グループは AWS をインフラとする、金融サービス業に特化した新しいクラウド・コンピューティング・プラットフォームである FinQloud をローンチしたと発表した。金融サービス・アプリケーションのプラットフォームとして構築された、新しいナスダックのクラウドは、取引機関、監督機関、およびブローカー・ディーラーなど、複雑でグローバルな監督フレームワーク内に携わるものすべてに技術やアドバイザリー業務を提供する。

この金融サービス向けクラウドをローンチしたことで、NASDAQ OMX は米国証券取引所の先行ライバルとは違った取引パスを提供したこととなる。昨年、NYSE Euronext はトレーダー向けにNYSEの運営する北ニュージャージーの新しいデータセンターでコンピューティング能力の貸出サービスを開始した。NASDAQ は自身でデータセンターを運営するよりも、インフラ部分を Amazon Web Services に外部委託することを選んだ。

ローンチ初回の機能として、NASDAQ OMX は Regulatory Records Retention (R3) と Self Service Reporting (SSR) と言う2つのソリューションを FinQloud にホストした。R3 はブローカー・ディーラーに、米国証券取引委員会ルール 17a-4 に定めるルールを運用するコストや複雑さを低減する、ストレージおよび検索ツールを提供する。SSR はブローカー・ディーラーが、蓄積した取引データをより速くオンデマンドで分析してレポーティングできるようにする。今後数カ月以内に FinQloud への全ての接続は完全な暗号鍵管理システムを経由することが求められる。

「金融向けサービスを展開するお客様の多くのITプロジェクトには、固有の法的規制が存在します。」と Amazon Web Services の上級副社長である Andy Jassy 氏は言う。「AWSが提供する強い信頼性、低コスト、類稀なプラットフォーム能力および柔軟性を用いる NASDAQ OMX の FinQloud が提供する R3 および SSR は、AWS やクラウド・コンピューティング上のテイラーメイド(型のシステム)を提供します。データの格納および検索は、素早く、容易に、低費用でできるようになるでしょう。また、クラウドの持つスケーラビリティ、費用対効果、柔軟性により、顧客はデータの量に関わらず、分析およびレポーティングを迅速に行なうことができます。私たちはAWSクラウドのエンタープライズクラスの能力を用いることで、NASDAQ OMX の FinQloud が金融市場における専門知識とコンプライアンスの徹底を結びつけることができて光栄です。」