先週のAWS関連ブログ 6/15(月)〜6/21(日)

cloudpackエバンジェリストの吉田真吾@yoshidashingo)です。

先週もたくさんのAWS関連の話題がインターネットを駆け巡りました。まさに「ネットは広大だわ」。

SFの世界におけるコンピューターのアーキテクチャはいわゆる「マザーコンピューター」という"ホストを中心とした"世界観と、"ネットワークを中心にした"「分散システム」が混在して存在することになっていることが多いですが、今後、センサーネットワークが膨大に広がり、クラウドコンピューティングによって計算能力を分散させることを考えると、かなりネットワーク型が主体になり、もしマザーのような表面上一つに見える意思が存在するとしても、その構成要素は基本的に分散環境となり、物理的にどこかに定着したものではないのではないかなとかそんなことを考えました。

映画『攻殻機動隊 新劇場版』は昨日6/20(土)から全国ロードショー中です。

それでは今週も行ってみましょう。

AWS公式

1. AWS Lambda が Java をサポート

aws.typepad.com qiita.com dev.classmethod.jp

2. Amazon EMR で Apache Spark の自動セットアップをサポート

  • EMR起動時にSparkの追加セットアップが選択できるようになった
  • Sparkは従来のMap-Reduce処理で課題であったストレージのI/O処理をインメモリで抽象化して扱えるため、データを再帰処理するときなどに高いパフォーマンスで実行できるフレームワーク。qiitaのサンプル処理ではトータルで3倍程度高いパフォーマンスであったことが報告されている。

  • 参考

aws.typepad.com qiita.com

3. Amazon CloudFront が Default TTL と Max TTL をサポート

  • 今までの Minimum TTLに加えて、Default TTLとMax TTLをサポート(コンソール、APIともに)
  • Behaivior単位での指定が可能なので、Behaviorの設定で.htmlならこの値、.pngならこの値、という指定が可能
  • 3つの値(Min, Max, Default)を全て同一にすることで、オリジン側のCache-Control Headerを完全に上書きさせることもできます。 と記載されているので、オリジンのCache-Controlヘッダがある場合でもDefault TTL、Max TTLが設定されていれば優先されるという挙動と読み取れる。

docs.aws.amazon.com

  • ちなみにオリジンのCache-ControlヘッダとMinimum TTLとの関係は以下のとおり

aws.typepad.com

  • そのおさらい記事はこれ

dev.classmethod.jp

  • 実際に「オリジンのCache-Controlヘッダがある場合でもDefault TTL、Max TTLが設定されていれば優先される(ExpiresヘッダとCache-Controlヘッダが付与されていることを確認)」してる記事はこれ

dev.classmethod.jp

ということでキャッシュのTTLはCloudFrontを使う場合はCloudFront側で制御するほうが扱いやすいと感じます。

4. T2.Largeインスタンス!

  • mediumに比べてvCPU数は「2」で同じだが、メモリは2倍の8GiBであるLargeインスタンスが登場
  • 値段はmediumの2倍
  • 東京リージョンのオンデマンドLinux料金は以下
vCPU メモリ(GiB) インスタンスストレージ(GB) Linux/UNIX 料金
t2.micro 1 1 EBS のみ $0.020 /h
t2.small 1 2 EBS のみ $0.040 /h
t2.medium 2 4 EBS のみ $0.080 /h
t2.large 2 8 EBS のみ $0.160 /h

aws.typepad.com

5. Amazon RDS の PIOPSストレージ、gp2ストレージが6TBまでサポート

  • RDS for Oracle, MySQL, PostgreSQL は SSD系ストレージの最大容量として 6TB までサポート(従来3TB)、RDS for SQL Server は 4TB までサポート(従来1TB)
  • gp2のバースト上限は3000IOPSのまま
  • io1(PIOPS)の指定可能IOPSのratioも従来のまま3〜10のままだが、IOPSの上限が30000なので、3TB以上だと上限比率は下がっていくことになる。

Amazon RDS increases maximum database storage size up to 6TB when using Provisioned IOPS and General Purpose (SSD) storage

6. Auto Scaling グループにロードバランサーをアタッチやデタッチできるようになった

  • 先週のJeff Barrの記事の翻訳版

aws.typepad.com

7. プライバシーとデータセキュリティ

aws.typepad.com

8. クラウドコンピューティングにおけるサーバの利用率と環境

aws.typepad.com

9. Marketing and Commerce という新しいAPNコンピテンシーがはじまった

New APN Competency – Marketing and Commerce | AWS News Blog

10. CloudTrail による操作ログ監視

aws.typepad.com

11. AWSでのBlue/Green Deployment方法

medium.com

12. IAMのウェビナー資料

aws.typepad.com

13. 見逃してないか要チェック、最近のAWS Securityブログの記事まとめ

http://blogs.aws.amazon.com/security/post/Tx11CQNPLHQSRED/In-Case-You-Missed-These-Recent-AWS-Security-Blog-Posts

AWS関連

14. AWS芸人のAWSロボがちまたで増殖中

  • JAWS-UG神戸で開催されたハンズオンでAWSロボを参加者ごとに制作

www.slideshare.net

15. 突如盛り上がってきた re:dash 界隈

  • 先週もお伝えした re:dash が今週も盛り上がってきた様子
  • re:dashはpython製のデータビジュアライゼーションツール
  • まだ簡易的である印象はあるが、指定したデータソースに接続して、クエリを用いて取得したデータの可視化が可能

https://hiroakis.com/blog/2015/06/17/bigquery-mysql-postgresql-redshift-mongodbのダッシュボードとしてredashが良さそう/ dev.classmethod.jp qiita.com

16. クックパッドさんでの Cognito を使ったモバイルプッシュ基盤

  • CognitoのIdentity Poolを用いてAndroidの匿名認証を行い、取得したGCMトークンとSNSエンドポイントをDynamoDBに登録
  • プッシュ通知したいときにDynamoDBからデータを取得して、SNSのトピックへサブスクライブ
  • 1トピックあたり1000万までサブスクライブ可能なので、大規模に使えそう。

techlife.cookpad.com

17. Amazon Machine Learning を用いた天気予報

18. AWSスポットインスタンスの真髄

  • ドリコムさんで利用されている実績からまとめ(ドリコムさん、アネックスの17Fらしい※ADSJは19F)
  • オンデマンドと比べて起動が少し遅い(入札処理のため)、入札可能価格はオンデマンドの10倍まで、メタデータを5秒間隔でチェックするとTerminate通知に早く気づけて後処理(ログのflush&転送など)が逃げ切れるかもしれない(Auto Scalingの場合はLifecycle Hookを使う)
  • その他知見がたくさんあるので一度読んだほうがいいです。

www.slideshare.net

19. Empire という ECS を使った Docker PaaS

  • 自称「12 Factor Apps準拠」な、ECS で自前PaaSを構築できるOSS

engineering.remind.com medium.com

20. Dockerプライベートリポジトリ(Docker Registry)構築レシピ

dev.classmethod.jp

21. Amazon Redshift便利ツール『amazon-redshift-utils』の便利SQLスクリプト紹介(AdminScripts編)

  • awslabsリポジトリにあるRedshift関連の便利スクリプトの紹介

dev.classmethod.jp

22. Mesospere DCOS on AWS

dev.classmethod.jp

23. はじめてKinesisを使ってみるときに

qiita.com

24. Netflix製自動テストツール NTS

25. AWS Lambda using CloudFormation

dev.classmethod.jp

26. AWSの特定OS最新AMIを追いかけるためのワンライナー

qiita.com

27. AWS上のOracleのサポートについて

  • BYOL=OracleのことはOracleへ、AWSのことはAWSサポートへ。ライセンス込み=AWSサポートへ。
  • アップグレードの権利はライセンスに含まれる。
  • PSR適用は単純に可能だが、メジャーバージョンを上げる場合はデータの移動作業が必要となる。

dev.classmethod.jp

28. Netflix のインスタンスパフォーマンス分析方法

www.slideshare.net

その他

29. ちまたの CI SaaS/OSS 25選

  • SideCIの中の人によるまとめ、CIの範囲は「ビルド→テスト→デプロイ」をカバーしているもの。
  • CircleCI, TravisCI, Wercker といった有名どころ以外にも雨後の筍のようにたくさんのサービスやOSSが存在する。
  • 個人的には CirclCI だけで今のところ足りているのですが、各SaaSやOSSで課題領域とそれに対する解決アプローチが違うのがこの分野の特徴だと思うので、適材適所というか、利用シーンや構成要素、解決したい課題によって適したサービスを使い分けられるようにつまみ食いは色々としておきたいところです。

sideci.hatenablog.com

30. 大規模Reactアプリケーションを構築するためのベストプラクティス

postd.cc

31. WebAssemblyという新しいWeb用バイナリーフォーマット

jp.techcrunch.com

32. 良いChangeLog、良くないChangeLog

良いChangeLog、良くないChangeLog | Web Scratch

33. 負荷テストツールで注目の wrk

HTTP ベンチマークツール wrk についてメモ – Siguniang's Blog

34. 注目しておくべきDB仮想化界隈、そしてTamr

jp.techcrunch.com

35. ITILについて

dev.classmethod.jp

36. Gitで操作を取り消す方法色々

yakst.com

37. WantedlyがAPI公開(予定)

  • 自社のサイトやブログに、応募するボタンなどを設置可能になる。

jp.techcrunch.com

38. 2015年今すぐフォローすべきクラウド界隈の35人

  • 入ってました。

blogs.itmedia.co.jp