cloudpackエバンジェリストの吉田真吾(@yoshidashingo)です。
先週もたくさんのAWS関連の話題がインターネットを駆け巡りました。まさに「ネットは広大だわ」。
SFの世界におけるコンピューターのアーキテクチャはいわゆる「マザーコンピューター」という"ホストを中心とした"世界観と、"ネットワークを中心にした"「分散システム」が混在して存在することになっていることが多いですが、今後、センサーネットワークが膨大に広がり、クラウドコンピューティングによって計算能力を分散させることを考えると、かなりネットワーク型が主体になり、もしマザーのような表面上一つに見える意思が存在するとしても、その構成要素は基本的に分散環境となり、物理的にどこかに定着したものではないのではないかなとかそんなことを考えました。
映画『攻殻機動隊 新劇場版』は昨日6/20(土)から全国ロードショー中です。
それでは今週も行ってみましょう。
AWS公式
1. AWS Lambda が Java をサポート
- 今までホストできるコードはnode.jsのみだったLambdaがJavaをサポート
- JARファイルに固めてruntimeにJavaを指定してzipアップロード(JARもzipだしね)
- これと合わせてLambdaアプリケーションに割り当てられるメモリ容量も50%アップして1.5GBに増量。
- 出典
aws.typepad.com qiita.com dev.classmethod.jp
2. Amazon EMR で Apache Spark の自動セットアップをサポート
- EMR起動時にSparkの追加セットアップが選択できるようになった
Sparkは従来のMap-Reduce処理で課題であったストレージのI/O処理をインメモリで抽象化して扱えるため、データを再帰処理するときなどに高いパフォーマンスで実行できるフレームワーク。qiitaのサンプル処理ではトータルで3倍程度高いパフォーマンスであったことが報告されている。
参考
3. Amazon CloudFront が Default TTL と Max TTL をサポート
- 今までの Minimum TTLに加えて、Default TTLとMax TTLをサポート(コンソール、APIともに)
- Behaivior単位での指定が可能なので、Behaviorの設定で.htmlならこの値、.pngならこの値、という指定が可能
3つの値(Min, Max, Default)を全て同一にすることで、オリジン側のCache-Control Headerを完全に上書きさせることもできます。
と記載されているので、オリジンのCache-Controlヘッダがある場合でもDefault TTL、Max TTLが設定されていれば優先されるという挙動と読み取れる。
- ちなみにオリジンのCache-ControlヘッダとMinimum TTLとの関係は以下のとおり
- そのおさらい記事はこれ
- 実際に「オリジンのCache-Controlヘッダがある場合でもDefault TTL、Max TTLが設定されていれば優先される(
Expires
ヘッダとCache-Control
ヘッダが付与されていることを確認)」してる記事はこれ
ということでキャッシュのTTLはCloudFrontを使う場合はCloudFront側で制御するほうが扱いやすいと感じます。
4. T2.Largeインスタンス!
- mediumに比べてvCPU数は「2」で同じだが、メモリは2倍の8GiBであるLargeインスタンスが登場
- 値段はmediumの2倍
- 東京リージョンのオンデマンドLinux料金は以下
vCPU | メモリ(GiB) | インスタンスストレージ(GB) | Linux/UNIX 料金 | |
---|---|---|---|---|
t2.micro | 1 | 1 | EBS のみ | $0.020 /h |
t2.small | 1 | 2 | EBS のみ | $0.040 /h |
t2.medium | 2 | 4 | EBS のみ | $0.080 /h |
t2.large | 2 | 8 | EBS のみ | $0.160 /h |
5. Amazon RDS の PIOPSストレージ、gp2ストレージが6TBまでサポート
- RDS for Oracle, MySQL, PostgreSQL は SSD系ストレージの最大容量として 6TB までサポート(従来3TB)、RDS for SQL Server は 4TB までサポート(従来1TB)
- gp2のバースト上限は3000IOPSのまま
- io1(PIOPS)の指定可能IOPSのratioも従来のまま3〜10のままだが、IOPSの上限が30000なので、3TB以上だと上限比率は下がっていくことになる。
6. Auto Scaling グループにロードバランサーをアタッチやデタッチできるようになった
- 先週のJeff Barrの記事の翻訳版
- 関連記事: dev.classmethod.jp
7. プライバシーとデータセキュリティ
8. クラウドコンピューティングにおけるサーバの利用率と環境
9. Marketing and Commerce という新しいAPNコンピテンシーがはじまった
New APN Competency – Marketing and Commerce | AWS News Blog
10. CloudTrail による操作ログ監視
11. AWSでのBlue/Green Deployment方法
12. IAMのウェビナー資料
13. 見逃してないか要チェック、最近のAWS Securityブログの記事まとめ
AWS関連
14. AWS芸人のAWSロボがちまたで増殖中
- JAWS-UG神戸で開催されたハンズオンでAWSロボを参加者ごとに制作
www.slideshare.net
15. 突如盛り上がってきた re:dash 界隈
- 先週もお伝えした re:dash が今週も盛り上がってきた様子
- re:dashはpython製のデータビジュアライゼーションツール
- まだ簡易的である印象はあるが、指定したデータソースに接続して、クエリを用いて取得したデータの可視化が可能
https://hiroakis.com/blog/2015/06/17/bigquery-mysql-postgresql-redshift-mongodbのダッシュボードとしてredashが良さそう/ dev.classmethod.jp qiita.com
16. クックパッドさんでの Cognito を使ったモバイルプッシュ基盤
- CognitoのIdentity Poolを用いてAndroidの匿名認証を行い、取得したGCMトークンとSNSエンドポイントをDynamoDBに登録
- プッシュ通知したいときにDynamoDBからデータを取得して、SNSのトピックへサブスクライブ
- 1トピックあたり1000万までサブスクライブ可能なので、大規模に使えそう。
17. Amazon Machine Learning を用いた天気予報
- 気象庁のデータとAmazon MLを用いて、対応しているアルゴリズムごとに「二項分類(0か1か)」「多項分類(ABCのどれに近いか)」「回帰分析(どんな値になるか)」を行ってみた結果を公開しています。
- まとめ:Amazon Machine Learningを理解するために3つの方法で天気予測をしてみた(まとめ編) – ナレコムAWSレシピ | AIに強い情報サイト
- Amazon Machine Learningを理解するために3つの方法で天気予測をしてみた(二項分類編) – ナレコムAWSレシピ | AIに強い情報サイト
- Amazon Machine Learningを理解するために3つの方法で天気予測をしてみた(多項分類編) – ナレコムAWSレシピ | AIに強い情報サイト
- Amazon Machine Learningを理解するために3つの方法で天気予測をしてみた(答え合わせ編) – ナレコムAWSレシピ | AIに強い情報サイト
- 答え合わせ:Amazon Machine Learningを理解するために3つの方法で天気予測をしてみた(答え合わせ編) – ナレコムAWSレシピ | AIに強い情報サイト
18. AWSスポットインスタンスの真髄
- ドリコムさんで利用されている実績からまとめ(ドリコムさん、アネックスの17Fらしい※ADSJは19F)
- オンデマンドと比べて起動が少し遅い(入札処理のため)、入札可能価格はオンデマンドの10倍まで、メタデータを5秒間隔でチェックするとTerminate通知に早く気づけて後処理(ログのflush&転送など)が逃げ切れるかもしれない(Auto Scalingの場合はLifecycle Hookを使う)
- その他知見がたくさんあるので一度読んだほうがいいです。
19. Empire という ECS を使った Docker PaaS
- 自称「12 Factor Apps準拠」な、ECS で自前PaaSを構築できるOSS
engineering.remind.com medium.com
20. Dockerプライベートリポジトリ(Docker Registry)構築レシピ
21. Amazon Redshift便利ツール『amazon-redshift-utils』の便利SQLスクリプト紹介(AdminScripts編)
- awslabsリポジトリにあるRedshift関連の便利スクリプトの紹介
22. Mesospere DCOS on AWS
23. はじめてKinesisを使ってみるときに
24. Netflix製自動テストツール NTS
25. AWS Lambda using CloudFormation
26. AWSの特定OS最新AMIを追いかけるためのワンライナー
27. AWS上のOracleのサポートについて
- BYOL=OracleのことはOracleへ、AWSのことはAWSサポートへ。ライセンス込み=AWSサポートへ。
- アップグレードの権利はライセンスに含まれる。
- PSR適用は単純に可能だが、メジャーバージョンを上げる場合はデータの移動作業が必要となる。
28. Netflix のインスタンスパフォーマンス分析方法
www.slideshare.net
その他
29. ちまたの CI SaaS/OSS 25選
- SideCIの中の人によるまとめ、CIの範囲は「ビルド→テスト→デプロイ」をカバーしているもの。
- CircleCI, TravisCI, Wercker といった有名どころ以外にも雨後の筍のようにたくさんのサービスやOSSが存在する。
- 個人的には CirclCI だけで今のところ足りているのですが、各SaaSやOSSで課題領域とそれに対する解決アプローチが違うのがこの分野の特徴だと思うので、適材適所というか、利用シーンや構成要素、解決したい課題によって適したサービスを使い分けられるようにつまみ食いは色々としておきたいところです。
30. 大規模Reactアプリケーションを構築するためのベストプラクティス
31. WebAssemblyという新しいWeb用バイナリーフォーマット
32. 良いChangeLog、良くないChangeLog
良いChangeLog、良くないChangeLog | Web Scratch
33. 負荷テストツールで注目の wrk
HTTP ベンチマークツール wrk についてメモ – Siguniang's Blog
34. 注目しておくべきDB仮想化界隈、そしてTamr
35. ITILについて
36. Gitで操作を取り消す方法色々
37. WantedlyがAPI公開(予定)
- 自社のサイトやブログに、応募するボタンなどを設置可能になる。
38. 2015年今すぐフォローすべきクラウド界隈の35人
- 入ってました。