先週のAlibabaCloud関連ブログ〜1/15(月)

セクションナイン吉田真吾@yoshidashingo)です。

Alibabaの深層学習モデルが読解コンテストで初めて人間に勝ったらしい

  • Alibabaのデータサイエンス・アンド・テクノロジー研究所(iDST)の構築したニューラルネットワークのモデルが、Stanford Question Answering Dataset (SQuAD)におけるスコアで、人間による82.304を抜く82.44で1位になったとのこと。

www.alizila.com www.bloomberg.co.jp

  • SQuADではMicrosoft Research Asiaが先に人間のスコアを抜いたようだが、僅差でAlibabaのモデルのスコアが上回ったようだ。

CESの話題

  • CESではコネクティッドカーやCity Brainなど、かなり広いブースを確保して紹介していた模様

AlibabaにもVUIあったんだという話

  • Alibaba AI Voice Service が Cleer社のスマートスピーカーをサポートしたとのこと
  • Alibabaは自社でT-Mall Genieというスマートスピーカーを昨年から販売しているので、これはAmazonでいうところのAlexa Voice Serviceにあたるものと思われる
  • なお、Alexaスキルのような開発ができるかどうかは不明

www.businesswire.com

先週のAWS関連ブログ 〜1/14(日)

セクションナイン吉田真吾@yoshidashingo)です。

AWS公式

Meltdown & Spectre 対応のアップデート

  • 現在以下の掲示板のとおり、1/14早朝まで含めて12回更新されており、特にALinuxのAMIが再度更新されている模様。
  • すでにAWSを利用中であれば気づいたと思うが、先週土曜日の段階で仮想化ホスト基盤側に再パッチがあたったようで(掲示板で正式発表はされていない様子)、手元で確認したところ、RDSやElasticacheなどの最新の状況は脆弱性対応を行う以前の水準に戻っているように見える。

Processor Speculative Execution Research Disclosure

aws.amazon.com

AWS FinTech リファレンス・アーキテクチャー日本版の公開について

  • ガバナンスやセキュリティ基準におけるAWSの対応などが記載されている。

aws.amazon.com

公開ページ → FINTECH - アマゾン ウェブ サービス (AWS)

Amazon RDSのリードレプリカがMulti-AZ配置をサポートしました

  • これにより、DR発動でリードレプリカをマスターに昇格させてもすでにMulti-AZ配備になっているので、追加の保守作業(昇格したマスターに対してスレーブを設置する)が不要になる。

aws.amazon.com

CES におけるコネクテッドカーのための AWS IoT、Greengrass、および AWS Machine Learning

  • 昨年re:Inventでデンソーの成迫さんが公園したように、今AWSを含むクラウド事業者ではコネクテッドカー分野がとても熱い。
  • コネクテッドカーソリューションの範囲としては現在、自動運転、テレマ、IoT、シェアビジネス、VR/ARなどを応用したソリューションが提案されている。

aws.amazon.com

Continuous Deployment to Kubernetes using AWS CodePipeline, AWS CodeCommit, AWS CodeBuild, Amazon ECR and AWS Lambda

  • AWS上のKubernetesクラスターへのアプリの継続的デプロイをCodePipeline/CodeCommit/CodeBuild/ECR/Lambdaを使って実現する方法
  • アプリのコードをCodeCommitにpushしたら、CodeBuildでコンテナイメージをビルドしてECRに登録し、Lambdaを発火してクラスタにデプロイする、というパイプラインをCodePipelineで管理する。

aws.amazon.com

便利

AWS認定セキュリティ試験がついにベータローンチ

aws.amazon.com aws.amazon.com

AWS関連

JAWS-UG さいたま支部で、「サーバーレス化を支える認証認可の話」という話しをしてきました。

  • 認証認可に関する基本とAWSの関連サービス(API GatewayやCognito)について解説している。

blog.takuros.net speakerdeck.com

www.slideshare.net

  • 以前からこんなツイートしたりブログに書いたとおり、マイクロサービスやサーバーレスなアーキテクチャを実装する場合に認証認可は不可欠な要素。
  • Cognitoなどを使うと、認証済みのユーザーに対する認可(とそのトークン)や認証未済みのユーザーに対する認可(とそのトークン)など割り当てることができて便利。

Amazon EC2の最新基盤として「VMware Cloud on AWS」や「EC2ベアメタル」の実現にもつながったAWSの「Nitro System」とは?

  • 年末、T2やC5などを起動して数秒で起動するその様にびっくりした人も多いと思うが、完全に刷新されたEC2の基盤についてre:InventのTuesday Night Liveの中で話された内容についての記事

www.publickey1.jp

先週のAlibabaCloud関連ブログ 〜1/10(水)

セクションナイン吉田真吾@yoshidashingo)です。

最近日本でも勃興著しい印象のAlibaba Cloudに関するトピックを集めてみます。まず、グローバルのIaaS市場のシェアを見ると、AWSが40%以上の圧倒的なシェアを占め、その次にMicrosoft、そしてGCPやAlibaba Cloudが位置づいているという調査が多いです。最近はグローバルのカンファレンスでの登壇などが増えていて中国国内以外の露出も増えていますね。

www.businessinsider.jp

トピック

日本国内でのユーザーコミュニティ

まぁ何を隠そう、私が言い出しっぺなわけですが。開発者のコミュニティがないのもAlibaba Cloudでアーキテクティングを行ううえで不健全(サクッと聞きたい情報がやりとりできない)だなと思ったので、MasterCloudで豊富なサービス群や基本的なアーキテクチャについてお話ししたうえで、参加者を募り、12/25(月)に0次会を開催しました。

www.slideshare.net

仮想サーバー(ECS)のインスタンスの選びかた

中でもECSは日本国内で展開されていないインスタンスも含めるとたくさん種類があって、とにかく選びにくい。違いがいまいちわかりにくいというのが自分の印象でした。

第III世代

日本リージョンの主要な世代がこれです。まずこの中に「入門用」と「商用」の2つがあると思ってください。

入門用(第III世代)

これらがなぜ入門用かというと、いわゆる仮想化ホスト上でノイジーネイバーの影響を受けやすいとされています。アイソレーションの方式がいまいちなのかもしれない。その分お安めです。開発環境用やパフォーマンスがシビアでない場合に利用するべきインスタンスです。

  • xn4.small:1vCPU:1GB Mem構成のみ。お試しレベル
  • mn4(汎用):1vCPU:4GB MemからスタートするCPU:メモリ比率が汎用的なインスタンス
  • n4(CPU):1vCPU:4GB MemからスタートするCPU:メモリ比率がCPU寄りなインスタンス
  • e4(メモリ):1vCPU:8GB MemからスタートするCPU:メモリ比率がメモリ寄りなインスタンスですが、現在は提供されていなさそうです。

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商用(第III世代)

商用で利用すべきなのはこれ以降のグレードのインスタンスになってきます。こちらは上記の入門用とは違ってノイジーネイバーの影響は受けません。

  • 汎用:sn2 / sn2ne (vCPU:Mem=1:4)
  • CPU最適化:sn1 / sn1ne (vCPU:Mem=1:2)
  • メモリ最適化:se1 / se1ne (vCPU:Mem=1:8)

上記のインスタンスファミリー名に ne がついているものとついていないものがありますが、ne付きはないものに比べて、インスタンスネットワーク帯域が2倍の割り当てになっています。

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第Ⅳ世代

今後主流になってくるインスタンス世代です。CPUの世代も新しく、Intel Xeon Platinum 8163をベースにしています。

  • g5(汎用):2 vCPU 8 GB 構成から
  • c5(CPU):2 vCPU 4 GB 構成から
  • r5(メモリ):2 vCPU 16 GB 構成から

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これ以外にもAWSでいうt2ファミリーにあたるt5、エフェメラルディスクに大きめのSSDを搭載しているi2、ビッグデータ処理のためにメモリとネットワークを拡張しているd1ne、Intel Xeon Gold 6149のクロック数の高いCPUを利用してシングルスレッドな処理に適したhfg5/hfc5、Tesla P100のGPUを搭載しているgn5などがあり、それぞれの特徴によってインスタンスを選択することができます。

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日本リージョンでも第Ⅳ世代が主流になるとコスト効率の高いクラウドプラットフォームとして認知が進むんじゃないでしょうか。

Alibaba Cloud という謎なクラウドサービス。

思ってたよりたくさんのサービスがあるよね、という話。

level69.net

認定資格制度

クラウド各社ともすでに展開していますが、Alibaba Cloudもプライベートベータで開始しはじめていますよという話

https://techblog.sbcloud.co.jp/2017/11/06/acp/techblog.sbcloud.co.jp

Meltdown&Spectreについて

世界中で大騒ぎになっているMeltdown&Spectreについてですが、1/4アナウンスがあり、1/13までにプラットフォーム側のパッチ作業をホットアップグレード(ダウンタイムなし)で行うとアナウンスがありました。

www.alibabacloud.com jp.alibabacloud.com

クラウドの重要機能 MessageServiceを理解する

  • クラウド上での分散処理を実現するために重要なPub/Sub機能を提供するMessage Serviceの機能について

https://techblog.sbcloud.co.jp/2017/12/22/クラウドの重要機能-messageserviceを理解する/techblog.sbcloud.co.jp

MVPプログラム

AWSでいえばコミュニティヒーローやAWS SAMURAIのようなMVP制度がはじまったそうで、SBクラウドの2名が受賞してます。Alibaba Cloudのことで困ったらこの人たちに相談しましょう。

その他

IoT、コネクティッドカー分野での提携

  • フォードやBMWがアリババと提携し、音声認識による車の情報(燃料残量など)へのアクセスができるようにすると発表。
  • 今後はテレメトリや遠隔制御などにも発展していくことが期待される。

markezine.jp

IoTデバイス開発

  • NXP Semiconductorsと提携してデバイス開発を促進
  • このニュースに限らず、Alibaba Cloudはたとえば動画の認識技術をNVIDIAと提携して利用していたり、時間をお金で買うことで短時間に広範囲のソリューションをカバーしてきた節があるように見えます。その分、分かりにくいサービスが多くなってるのと、それぞれの提携の行く末によってはサービス自体が負債になりうる点だけが心配ですが、シェアが高く洗練された製品がOEMで組み込まれているという安心感もあります。

iotnews.jp

ということで今回は以上ですが、2月初旬くらいにまたデベロッパーミーティングをやりたいと思いますので、興味があれば参加してください。