どうも、吉田真吾(@yoshidashingo)です。
2015/9/28,29に、みんな大好き Vagrant、Terraform、Consul などを開発している HashiCorp 初の年次イベント HashiConf に参加してきました。
今日までまとめができなかったのが心残りでしたが、ちょうど日本で HashiCode #2 という凱旋イベントもやり(朝一でなんかパネルでもやりますかというムチャぶりもなんとか?こなし)、時を同じくHashiConfの各セッションの動画がアップロードされて閲覧可能にもなっていたので、新しくリリースされた「Otto」「Nomad」とともに、参加セッションなど諸々感想を書いておこうと思います。
会場・参加者など
参加者は全部で400人くらいだったかな。翌週の re:Invent の19,000人と比較すると圧倒的アットホーム感ですね。
会場は「Gerding Theater At The Armory」という、レンガ造りの建物で、とても落ち着いた雰囲気の会場でした。ポートランド自体 HashiCorp社の本拠地ではないのですが、落ち着いた街という印象でした。
Nomad と Otto
Nomad
- プロジェクトページ
- 分散リソーススケジューラー
- Dockerや仮想マシン(QEMU, KVM)やJARや静的バイナリにリソースを割り当てるクラスタ管理ツール
- 将来的にはJetpack、Windows Server Container、Xen、Hyper-V、C#をサポートする予定
- 他のスケジューラーとの比較を詳細に記載しているページもある
- nomadエージェントは1つのバイナリなので、実行にはこれをダウンロードしてPATHを通して起動しておくだけ、とても簡単
nomad run <*.nomad>
で設定ファイルを投入することでエージェントの起動してるクラスタ内にジョブがスケジューリングされる- マルチデータセンター・マルチリージョンレベルの分散環境も簡単に管理できる
- リージョンやデータセンターはnomadファイル内で定義が可能であり、
- DigitalOceanで試したところ、NYC3で3代のサーバーを用意し、4マルチリージョン環境(
datacenters = ["ams2", "ams3", "nyc3", "sfo1"]
)の定義でクライアントを100台定義した環境において、1000コンテナの起動テストにおいて、1秒以内にスケジュール完了、Dockerコンテナの起動開始まで1秒、95%のコンテナ起動まで6秒以内、99%の起動までが8秒以内という結果だった ※この表現で合ってるか自信がない
Otto
- プロジェクトページ
- 開発からデプロイまでを一貫して操作可能なラッパーツール
- Vagrantの後継とはされているが、カバー範囲はOttoのほうが広く、現在はまだOttoの中でVagrantを使ってる(
otto dev
)状態 - 完全な置き換えまでは数年がかりになるだろうとのこと
- Vagrantの後継とはされているが、カバー範囲はOttoのほうが広く、現在はまだOttoの中でVagrantを使ってる(
- こちらも1つのバイナリなので、ダウンロードしてPATHを通しておくだけ、とても簡単
otto infra
でTerraform実行、otto build
でPacker実行、といった具合- 細かい定義は
otto compile
で生成されるAppfileに記載する
参加セッション
Day 1
Using Vagrant, Docker, & Terraform to streamline your development & demo environments
- VagrantやDocker, Terraformの説明からIoT基盤やビッグデータ基盤も統合して管理できるよって話などなど
1-Up Your DevOps with Google Cloud Platform and Atlas
- Vagrant内に作成したゲームをAtlas経由でGCP上にデプロイするデモ
- 面白かった
HashiCorp Tools in the Modern Enterprise
- CapitalOneで使ってるツールなどの説明
Resilient Infrastructure Orchestration with Serf
- Serfの説明から、PagerDutyでのSerfの活用方法まで
- 面白かった
Genesis: Terraforming a new Firefox crash stats infrastructure
- Firefoxのいわゆるクラッシュレポートの基盤のTerraform活用について、の
HashiTools漫談
- 面白かった
The future of management, and how we'll get there
- PuppetLabsの人の話
Day 2
Dockerizing all the Things
- カタカタDockerを動かして20分くらいでおわり。Docker社、客ナメてる
Automate your Infrastructure
- インフラの自動化の話
- 面白かった
Managing Applications at Scale
- CoreOSとKubernetesを組み合わせたデモ
Repeatable, Extensible Infrastructure at Yelp
- 2013年にAMI管理のためにPackerに出会ってからHashiToolsを使い始めたことなど、Yelpのインフラの育て方の経緯や各種ツールの紹介
- 面白かった
Virtual Machines, Containers, Lambdas Oh my!
- 色々詰め込んだ講義
費用
HashiConfにかかった経費
— Shingo(吉田真吾) (@yoshidashingo) 2015年9月30日
- カンファレンス $350
- エア&宿 ¥130,000
- 外食 $70
- Uber $30
- 路面電車 $5
- Wifiレンタル ¥6,000
- 成田行き帰り ¥3,000
合計20万円弱でした。
その他
- とにかく街のアットホームな雰囲気が終始心地よかった、ポートランドいい街
- ノベルティは結構多めにあった。ECSブースにあったTシャツが欲しかったけどなんか雰囲気的に微妙な感じだった。
- レバニーズ(レバノン料理)が美味しかった。ひき肉、豆、コロッケ、赤ワインなどなど。
- 1日目が終わってから、夜はパブを一箇所借りきって懇親会があり、思い思いに語らいあった。ついでに写真撮るブースがあったのでなんか撮った。