AWS東京リージョン4周年おめ!あるいはパブリッククラウドの普及についての雑感

cloudpackエバンジェリストの吉田真吾@yoshidashingo)です。

東京リージョン4周年

2006年3月のS3のリリース(SQSは2004年からだけど)から10年目に、東京リージョンができて5年目に入ったAWS。

「クラウドなんて開発者のおもちゃ、本番じゃ使えない」そんなことを言われていたのも今は昔になりにけり。

なぜAWSだけこんなに伸びたのか?

上記のとおり、数多あるクラウドの中で「IaaS」としていまだにAWSが絶好調であることは明らかです。

一度クラウド化したらもうオンプレに戻れない

全てのケースだとは思いませんが、クラウドにすることで得られたアジリティやコントローラブルな環境からすると、よほどのことがない限りオンプレに戻ることは難しいということを感じると思います。(経済合理性などを考慮すと、という意味なので、これはよい意味です)

サーバーレス?PaaS?マネージドIaaS?

AWSには自由に扱える仮想サーバー基盤としてのEC2から、マネージドサービスとしてプラットフォームを隠蔽した各種サービスまで揃っていますが、特にEC2が全体的な成長に果たしてきた割合は非常に高いと思います。制約に困っても最悪EC2上に手組みすればたいていのことはできる。そして我々は気付かなくても、そのEC2のサービスの進化・その規模から考えると非常に安定した基盤であるという安心感がIaaSの普及に多大な貢献をしたことは明らかだと思います。

APIもしかり

APIについても長い歴史の中でAWSの成長に多大な貢献をしていることは明らかで、しっかりとAPIのみでインフラを扱えることが、さまざまな運用を自動化できるようになっている自由さを与えていることも大きいと思います。

それ、前からあるし

そんななか、最近ではEC2に頼らない、プラットフォームの隠蔽されたサービスのみで開発のフローからプロダクション環境が運用できるシステムを組める選択肢が増えてきました。

これだけ聞くと「それって○○が昔からPaaSとしてやっていたし...」という意見をよく聞きます。ただし、これだけ普及した理由を考える中で、顧客の成長の流れに合わせて「プラットフォームの抽象度を上げてきている」という流れは大きいのではないかなと考えています。

顧客の成長に添いとげる

先週こんな話題がバズってました。

http://blog.livedoor.jp/qmanews/archives/52122813.html

ラーメン発見伝 - Wikipedia

「大多数の客は物事の中身を理解できない」そんな文脈でとらえられる話ですが、そこにとどまらず、大多数の客の成長を促すように市場に寄り添いながら、提案をしていくというのも「世界を変えたいと思うなら」必要なことではないでしょうか。

実機のサーバーを自分で運用している→仮想化してリソース効率を集約するといいよ→IaaSで時間単位でサーバーを使うとアジリティが上がるよ→プラットフォームを事業者側がマネージするサービスを使うと運用が楽になるよ

こんな流れで顧客が育つのに合わせてAWSが寄り添っているという流れこそが、AWSがこれだけ普及した一つの要因なのではないかな、と考えている今日この頃です。