Spotifyが日本に来ない
2014年2月に護国寺で開催されたソーシャルメディアウィークをスポンサードし、その後いくつかのイベントを日本国内でスポンサードしたSpotifyの日本上陸が遅れているようです。日本国内のローンチに向けてマネージャーに法律家を据えて臨んでいたみたいですが、1年近く経過しても進展が見られない点は非常に危惧しています。
サービス提供について大幅に軌道修正を迫られた模様
個人的には邦楽はほんとどうでもいいのですが、収益を考えるとどうしても国内レーベルときっちり組めないとローンチできない事情がありそうと推察され、もしかしたらこのままSpotifyは日本に上陸しないのかもしれないとも思えます。
ただ、こんなに素晴らしいサービスがこのまま日本でローンチできないのも非常に問題だと思うので、故あって使ってみた際の感想などは記録しておこうと思います。
まず通常、日本国内ではSpotifyは使えない
- Spotifyアカウントはまず日本国内からの申込みができません。使ってみたい人はアメリカなどの提供地域に行った時に申込みましょう。
- iPhoneアプリ:日本国内のiTunesアカウントではアプリのダウンロードができません。アメリカなどに滞在してるときにそこで利用する専用のアカウントを作りましょう。
以下、提供地域内でアカウントなどを作成してトライアル利用した範囲のまとめです。
有料のサブスクリプションでできること
- Spotify内の全曲聞き放題
- アーティストやプレイリストのフォロー
- iPhoneアプリでプレイリストを作成してシーケンシャルに再生
- iPhoneアプリで曲をオフライン保存しておいて再生
まあ、このほかにもサブスクリプションを有効にしてると普通にいろいろできるわけです。
無料だとこんな感じ(デスクトップ版)
- オフライン再生ができない
無料だとこんな感じ(iPhoneアプリ)
- アーティストや曲を検索してヒットして再生しても、おすすめの曲が再生され、狙った曲は聞けない
- プレイリストの再生がシャッフルプレイしかできない
- 狙った曲が聞けない...
- スキップできない
- 狙った曲に飛ばしてたどり着くことができない
- プレイリスト内が15曲未満だと、プレイリスト内の曲は再生してくれず、プレイリストにないおすすめの曲を再生してくる
- 狙った曲が聞けない...
- オフライン再生(Wi-fiあるいは設定によってはLTEで事前ダウンロード)ができない
ということでiPhoneアプリでは無料の場合はミュージックプレイヤーというより、ラジオ感覚で利用するものになります。
音楽の楽しみ方の変化
日本のサービスだけだいぶ置いて行かれている感がありますが、ユーザーの状況でいえば大きく以下のような流れであることは確実だと思うわけです。
1.音楽ライブラリの場所の変化
昔は部屋の本棚にあるCDやレコードがライブラリとしての中心だったわけすが、いまやiPhoneなどのスマホの中身自体(あるいはiTunes内)がライブラリの中心になっていると思います。最近CDをパカっと開けた経験あります?僕はないです。レコードに至ってはもうターンテーブルも捨てちゃったので再生もできないし、ダンボールから引っ張り出しても波打っちゃってるんじゃないかと思います。
2.類似やレコメンドをたどる場所の変化
今さらCDショップやレコ屋に行って何時間もかけて新しい音楽と出会う時間を作れない人にとって、iPhoneのライブラリを中心に考えると、そこから最も近いアプリやWebで自分のライブラリから「類似の音楽をたどる作業」「レコメンドを試す作業」をするのが最も自然な選択肢だと思うわけです。
音楽の「つながり」の6つの要素
で、音楽を「つながり」という側面で考えると、現在のライブラリや新しいつながりの入り口って6箇所くらいあるのではと思うわけです。
- 1.現在の手持ちのライブラリ
- スマホやパソコン(パソコンすら少ないだろうけど)
- まあでもほとんどは聞き飽きてるよねという状況
- 2.お気に入りのアーティストの新譜情報
- 3.お気に入りのアーティストの周辺のアーティストなどの楽曲
- 4.媒体でのランキングやおすすめ
- 5.知り合いのおすすめ
- 6.上記以外からのセレンディピティ的な何か
で、上記に共通して言えるのが、「手持ちのライブラリ(iPhoneなど)にどれだけ近いか」「すぐ試聴できるかどうか」という点だと思います。 5などはTwitterやFacebook経由でYoutubeやSoundCloudのリンクが貼られていればiPhoneですぐに聞けるので最適だと思います。
じゃあ現状で国内のユーザー(CD屋・レコ屋はもう面倒という状況で)はどうしたらいいかって感じなのですが、Spotifyクラスのサービスがないのが圧倒的にビハインドだというのは置いておいて、自分は以下のような感じで使っていて、もっといい方法ないかなぁと思っているという状況です。
SoundCloud + Beatport
Spotifyより曲数などは減りますが、海外のクラブミュージックのアーティストについていえば大半のアカウントがあるので、上記2,3についてはフォローできます。で、アルバムや楽曲が気に入ればBeatportに遷移して購入できるので、ちょっと高いけど我慢して購入してる感じ。iTunesでしか売ってないこともあるけどそこはBeatportと扱いは同じ感じ。
また、最近はSoundCloud上で販売するスキームもいくつか選択肢が増えてるみたいなので、アーティスト側としては自分たちに一番合った方法が見つけられればいいのではないかという感じ。
Discovr
頻繁にではないけど時々見てみるくらい。3番に該当する。
Shazam
これも頻繁じゃないけど時々街中で「あれ、これいいな」ってときに。6番に該当。
Amazon mp3(番外編)
そういえば思い出したけど日本の曲も販売しているAmazon mp3。iPhoneアプリ(Amazon Music)もあるんだけど使ってないなーと思い、なんで忘れ去られてるかと言うと
- iPhone標準のミュージックとの統合がいまいち
- プレイリストがインポートできないのでAmazon Music用に新たに作り直さないといけない。面倒だからやらない。
- 上記2〜6のつながりに関しての機能が全くない
ということで頑張っていただければと。
そんな感じでまとまりはないけどおしまい。